頭頂部の反り返った鉄板は須磨の「一ノ谷」を表しており、古くは源義経の逸話にあやかって戦勝祈願を込めた意味合いや、敵を跳ね返すといった意趣もあるとされています。
また、通常の鍬形がある「前立」に対しこの兜は後ろに鍬形となる造形物を配置することから、「後立」に位置する「馬藺(ばりん」の造形物も見ものです。
馬藺(ばりん」の後立は、博物館の実物では桧の薄板を放射状に嵌め込んだ物とのことですが、雄山工房では真鍮に鍍金の物で再現しています。
アヤメ科「ネジアヤメ」の葉がモデルとされていますが、意匠の意味するところは「後光」を表現し仏の加護を受ける事を意味するものです。