紅絲黒端裾濃大鎧
博物館にある歴史的な鎧もこのような節句用の鎧も、その名称は色やデザイン、そして鎧のタイプを示しています。
例えば、「紅絲(赤糸…あかいと)」とは、鎧の小札を編んでいる紐の色をのものをさします。
「黒端裾濃(くろはじすそご)」とは、端に黒い紐をつかっておりそれは「裾濃」でデザインしているという意味です。
  ※「すそご」は下にいくにしたがって色を濃くするグラデーションの意味ですが、この場合は「端」に行くにしたがってという解釈で名づけられています。
最後の「大鎧(おおよろい)」は、鎧の形式を表しています。平安時代ころに作られた形式と言われており、
材料の調達や多くの高度な技術者、一定の製造期間がそろって初めて完成する高級な品でした。
  時代が下るにつれ、実用性のある改良がされた同丸鎧などが製造されると、「大鎧」は用と美を備えるその荘厳な美しさから、式典や祭事、奉納などに用いられ、正式・最上、式正の鎧をいわれるようになりました。