木目込の可愛らしいお雛様を表現する縫の特徴は、その姿形だけではありません。草木染で誂えた様々な衣装です。
殿の衣装は「ログウッド」の木材を原料とした染料を使っています。海外の樹木ですが、明治に日本に入り「京黒染め」として使われてきました。
媒染に使う材料の種類や容量によって様々なベクトルの濃い紫が表現できます。また、染めの特徴として、様々な環境や条件によってまったく同じ色を作ることはできません。
姫の衣装の びわは媒染剤によってピンクになります。縫いの制作する雛人形は草木染の衣装が特徴の一つであり、その時・その年にだけ生まれる色といわれています。