黄櫨染・黄丹・黒・白の雛人形

皇族・貴族の色と衣装

黄櫨染・黄丹・黒・白の雛人形
こうろぜん・おうに・くろ・しろのひなにんぎょう
日本では着物の色や文様に特別な意味をもたせていた時代がありました。
ただ、現代では着物業界や雛人形業界などの特定分野におけるの専門的な知識であり、日本国民の常識的な知識ではなくなっています。 しかし、専門的知識・教養であるからこそ、その知識を雛人形にうつし格式や威厳、気品を備えて制作されたお雛様も存在しています。

1),黄櫨染の御袍(こうろぜんのごほう)
 黄櫨染は中国思想による天子の色で現在の黄褐色よりも黄赤に近いものと思われます。 平安の時代、黄櫨染は禁色(きんじき)とされ、天皇以外は使用してはならない色とされました。
 文様の「桐竹鳳凰麒麟紋」は、桐の樹に竹の実をくわえた鳳凰がとまったという故事から作られました。 天子がうまれると現れる鳳凰、鳳凰がとまる青桐と鳳凰が食す竹の実、 世が平定されると現れる麒麟、世界にかかわる生き物が描かれる様は、 まさに王の紋といえるでしょう。
 また、聖人の位にある鳳凰は天下泰平の時に現れることから天皇の文様とされ、現在も天皇御即位式等にお召になる由緒正しき御袍です。

2),黄丹袍(おうにのほう)
クチナシ(梔子)ベニバナ(紅花)で染色して作られた色の黄丹(おうに)色の束帯を言います。 「朝日の昇る色」や「強い黄赤」などと表現され、オレンジ色もしくはそれに近い印象です。
日本においては、皇太子のみが使用することができる色であり、黄櫨染と同様に禁色でした。 文は「窠に鴛鴦丸」(かにえんおうまる)等と言われている文で、瓜(うり)を輪切りにした形の中に、オシドリが一羽描かれています。

2),黒袍(こくほう・くろのほう)
黒、もしくは黒に限りなく近い紫色の衣装であり、こちらも位の高い衣装とされてきました。
文様は主に「雲鶴(うんかく)」が入っています。雲の中を高く飛ぶ鶴は、突出した人格者を表すことから格が高く、平安時代では貴族・公卿で使われます。
その後、平安後期からは親王(皇族の男子)の専用として使われてきました。
 雛人形の業界において黒の袍に雲鶴が用いられるのは、このような背景があり、格式高いお雛様をお求めになる方に人気があります。

2),帛御服(はくおんふく・はくのごふく)
新しい天皇が即位礼当日賢所大前の儀と大嘗祭の際に召される衣装です。
表裏ともに純白無文の袍ですが、表袴は薄い桃色となっています。 召される機会は非常に稀ですが、それゆえに格式と気品を伴っています。お雛様としてはもともといくつかの工房が特別なお雛様として制作していましたが、 注目されたのは令和の即位式があってからです。

黄櫨染・黄丹・黒・白

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