黄櫨染
黄櫨染は中国思想による天子の色で現在の黄褐色よりも黄赤に近いものと思われます。 平安の時代、黄櫨染は禁色(きんじき)とされ、天皇以外は使用してはならない色とされました。 文様の「桐竹鳳凰麒麟紋」は、桐の樹に竹の実をくわえた鳳凰がとまったという故事から作られました。 天子がうまれると現れる鳳凰、鳳凰がとまる青桐と鳳凰が食す竹の実、 世が平定されると現れる麒麟、世界にかかわる生き物が描かれる様は、 まさに王の紋といえるでしょう。 また、聖人の位にある鳳凰は天下泰平の時に現れることから天皇の文様とされ、現在も天皇御即位式等にお召になる由緒正しき御袍です。