手描き京友禅と正絹の雛人形
京都の人形師である「尊正(たかまさ)」の雛人形は京友禅を衣装につかう事が特徴です。
衣装に描かれた柄・模様は、職人によって素描(すがき)されたもの。そのため、一つ一つの絵を人が筆で描いているのです。
このようにして生まれるお雛様は、全てが一点物としてただ一人のお客様の元へ届けられます。
商業的に効率の良い製法ではありませんが、そのようにして一人ひとりのお子様のために作っている数少ない雛人形師です。
また、尊正の人形が使う生地は全てが正絹で構成されます。袴や重ねの裏地などの見えにくい部分にいたっても全てです。
業界として見た場合、「正絹だけ」で雛人形を作ることは一般的では有りません。「正絹」と明示された人形であっても、通常は一番上に着る衣装のみを意味し、
重ねそのものやその他裏地、袴などまでを正絹で作ることは有りません。
しかし、限られたいくつかの職人だけが誇りをもって正絹のみで雛人形を作っています。尊正はその数少ない職人の一人です。